ズズズのパタてん

基本言いたい事書いてます。

いじめっ子と再会した日。

一人暮らしをしている僕の部屋に中学の時の同級生、宮川くんが突然居候してきた。

 

あれから30年も会ってなかった。彼の見た目は昔と変わらない。

 

不思議なくらい変わらない。

 

僕は小学生の時からいじめられっ子だった。

 

特定のいじめっ子が数人いた。

 

最後に宮川くんに会ったのはそのいじめっ子の集団と彼が一緒にいた時だった。

 

僕は高校生になって彼らは中学卒業して土木作業員として仕事していた。

 

僕は高校に行き 違う仲間もいたから絡まれてもかなり強気で挑んでいった。

 

そしてその中の一人を殴った。

 

それ以来の再会だった。

 

何気ない日々が過ぎていって、僕はふとある疑問にぶち当たった。

 

「こうして宮川くんを部屋に向かい入れたけど、もしかしてまだいじめっ子たちと

 

連絡とっているんじゃないかな?だとしたら僕の情報、住所も流されているんじゃない

 

のか。だとしたらマズい。襲撃されるかもしれない」と突然恐怖に包まれた。

 

それから何日も僕は宮川くんにその事を聞こうかどうか迷っていた。

 

でも何も起きない。もし情報を流されてたら僕はとっくに襲われているはず。

 

何も起きない。彼は至って普通に僕と接してた。

 

月日は更に過ぎていったけど何も起きない。

 

「もしかしたら僕の妄想なのか。」と思った。

 

僕の悪癖の一つで思った事を考えもせずどんどん人に言ってしまうというのがある。

 

それは20歳超えて位からはじまったのか、いや小学生の時からあった。

 

ほとんど被害妄想であって一度はじまると収拾つかなくなる。もう何度もこれで

 

嫌な思いをしてきたが自分ではとめられなかった。

 

そしてその悪癖が我慢できずについに口に出てしまい、

 

「宮川くん、昔の仲間ともう連絡とってないよね?僕の住所とか言ってないよね?」

 

と聞いた。宮川くんは引きつった感じで苦笑いをして

 

「ん・・・うん・・・いや・・・まあ・・・。でもとっている人は何人かいるかな」

 

沈黙。

 

「めったにとらないよ」とため息を吐くよう言った。

 

いわゆる今この現代で言うところのメールやLINEを異性にして返信がこないと

 

「あの・・・僕嫌われちゃったかな?嫌いになるよね・・・ごめんね」と妄想で

 

返信する人と同じだ。

 

そして気まずい空気が流れた後、彼はちょっと買い物いってくると外へ出た。

 

その数時間後、宮川くんが軽く笑いながら戻ってきて僕の耳元でささやいた。

 

「ごめん。あいつらから偶然にもたった今連絡入ってきて・・・今そこにいる。」

 

終わったと思った時には既に彼らは玄関にいた。

 

(もし何も聞かずにいたらこんなことにならなかったんだ。)

 

(自分が思っていた不安というのは相手はそれほど気にしてなかったけど相手に自分の

 

不安を知られると相手の思う壺だったんだ。)

 

(自分のコントロールできる事と出来ない事を区別していれてば・・・)

 

と、どんどん後悔の思いで一杯になり この世の終わりのような気持ちになった。

 

30年前最後に僕が殴ったいじめっ子がきて

 

「おう、久しぶりだな。」と言い僕の胸ぐらを積んだ。

 

不思議なくらい見た目は30年前と変わらない。宮川くんと同じように。

 

そして周りを見ると宮川くんも他の連中もこれから面白くなるぞと笑っていた。

 

僕は、「あれから30年も経ったんだから大人になれよ」と言ったけど無視された。

 

絶体絶命。しかしもう遅い。

 

これを機にこの部屋を引き払おうと誓った。そして目が覚めた。夢だった。